2000年11月のお話
ひとみごくうの王女(ギリシャ)「アンドロメダ座」
エチオピア王女アンドロメダは、人身ごくうとなって、海辺の大岩に手首を鎖でつながれ、
魂も身にそわず、海の魔物が現われるのを待っていました。
しばらくすると、あたりを飛び回る海鳥の悲しい鳴き声に、最後の時の近いのを感じ王女は目を閉じました。
すると、どこからか空に馬のいななきが聞こえてきました。 それが遠雷のように、四方にこだましました。
王女は不思議に思い怖々と目を開くと、金髪の王子ペルセウスが、雪のように白い天馬にまたがって、
海上に下りて来るところだったのです。
そして海の魔物が、今や一呑みと王女を目がけて這い上がる鼻づらに、メドゥーサの生首をつきつけると、
たちまち海の魔物は石になってしまいました。
(別の神話では、生首ではなく剣で退治しているお話もあります。)
そして、ペルセウスは、アンドロメダ王女を抱いて、大いに喜んでいる国王夫妻に、
アンドロメダ王女を自分の妻にと申しでました。
王宮で結婚の祝いの席へ、王女のいいなづけであったフィネウスが部下をつれて、
祝いの席へ暴れこんできました。
しかし、これもペルセウスが取り出したメドゥーサの生首を見ると、剣をふり上げたままの格好で、
石になってしまいました。
中国の二十八宿では、この星座を中心に奎宿(けいしゅく)をもうけていました。
奎は豚のことで、大体の輪郭が豚に似ています。
それで奎宿の精は、身体は人間、首が豚で、西遊記などにもしばしば現われて失敗をやっています。
日本では、「ベガススの大方形」を「ますがたぽし」と呼んでいるのに対して、
ここの星の一列を「斗かきぼし」と呼んでいました。
なおこの星座を最も有名にしている大星雲は、王女が折っている左ひざのかど近くに位置して、
月のない夜は、肉眼にも青白い光のにじみを見つけることができます。
その光が地球に届くのに約140万年かかり、しかも銀河系宇宙に最も近い宇宙でです。
中国では奎宿の白気と呼んでいました。