ポン太の天文ミニ知識


ポン太の部屋

 月食ってなに?
 月食も日食と同じように、 太陽と地球と月の位置の関係で起こります。 太陽の光を受けて、地球の夜の側には円すい状の 長い影ができています。 この影の中に月が入る現象が月食です。 地球から見て、太陽の反対側に月がくるときですから、 月食は満月のときに起こります。 ただ、月食も日食と同じように、満月のたびには起こりません。 それは、黄道と白道が傾いているためです。 黄道と白道の交点付近で満月になれば、月食が起こるわけです。 地球の影には、太陽の光のまったくない本影と、 少し光のくる半影とがあります。 本影の中に入るのが皆既月食、本影に一部分入るのが部分月食、 半影の中だけは半影月食といいます。 本影の長さは、地球と月の距離の約3.6倍もありますので、 月の軌道上における地球の影の大きさは、 月の直径の約2.6倍もあるのです。 そこで、月が多少影の中心からずれていても、皆既月食は起こります。 また日食では、皆既になってコロナが見えるのは、地球上のごく狭いところなのですが、 月食の場合は地球の影が大きいので、地球の夜の部分ならどこでも見えます。 地球の影で本影というのは、太陽の光がまったくこない場所のはずですが、 実際には赤い色の光が入っているのです。これは、地球の大気のためです。 大気を通過した太陽の光は、大気によってプリズムのように曲げられてしまいます。 このとき、波長の短い青い色の光は、大気中で散乱されてしまいますが、 波長の長い赤い色の光は、大気中を通りぬけ、曲げられて本影の中に入り込むからです。 皆既中の月は、このためまったく見えなくなるのではなく、ぼんやり赤く見えるのです。

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