ポン太の天文ミニ知識


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 三日月のみえかた
三日月とは、月の満ち欠けを基準にした 太陰暦(旧暦)の三日の月からきています。 旧暦では毎月、月令0の新月が1日ですから、 三日月は月令2となり、だいぶ細い月です。 しかし現在は、一般に細い月のことを三日月と いっています。 三日月は、季節によってかなり見えかたがちかいます。 形自体は、三日月は三日月で変わることはないのですが、 見える位置や傾き具合が変わるのです。 春の三日月は、真西より北に寄った空で、 下が細く光って寝た形をしていますが、秋の三日月は 南西の空で、右側が細く光って立った形をしています。 これは月の通り道の白道の、 西の地平線に対する傾きのためです。 白道と黄道は約5度しか傾いていないので、黄道で考えてみましょう。 春分の日の太陽は、天の赤道上にあります。天の赤道は西の地平線に対し、 東京では南から54.5度傾いています。 黄道は天の赤道と23.4度傾いているので、春分の日の太陽が西の地平線に沈むとき、 黄道は54.5度+23.4度で、78度の傾きになります。 三日月は、太陽の30度ほど東側にあるときの月ですから、 春分の頃は、下の方から照らされた形になり、寝て見えるのです。 また、三日月の位置がこの頃、太陽より一番北側にあるので、日の入り後、見えている時間が長いのです。 秋分の日も、太陽は天の赤道上にあるのですが、地平線に対する黄道の傾きが日の入りのとき、 31度しかありません。そこで、この頃の三日月は横から照らされた形になり、立って見えるのです。 位置が南の方にあるため、秋の三日月は太陽を追うように、すぐ沈んでしまいます。 夏と冬の三日月の傾きは、その中間となります。 このように、一年間で三日月の見える位置や傾き加減は、だいぶちがいますが、 日本で夕方見える三日月は下の方が細く光り、右上がりになっていることには変わりはありません。

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