ポン太の天文ミニ知識
下弦の月が上弦? 上弦の月が下弦?上弦の月・下弦の月とは、月を弓と見たときに、 弓のつる(弦)のところに当る、月の欠けぎわが上にあるか、 下にあるかで付けられた名前です。 上弦の月は、太陽の90度東側にあるときの月ですから、 太陽が南へきたお昼頃に、東から上ってきて、 太陽が西へ沈む時、真南に見えます。 そして、夜が更けるとともに西へ傾き、 真夜中に西の方に沈んでいきます。 この月は、どの空にある時も 上弦の月に変わりはないのですが、 弓のつるに見立てた欠けぎわが上に見えるのは、 西へ傾いた時です。 午後、東の青空の中に白く見えるときは、 つるが下を向いていて下弦の月のように見えるのですが、 これは下弦の月とはいいません。 下弦の月は、太陽の90度西側にある月の事です。 下弦の月は、真夜中に東から上り日の出のとき南の空に見え、 お昼頃西へ沈みます。真夜中に東から上ってくる時は、 つるが上を向いているのですが、 太陽が上った朝方、西へ傾いたときは、つるを下にしています。 このように、上弦の月も下弦の月も東の空にある時、南にある時、西の空にある時で、 つるの向きが違い、まぎらわしいのですが、上弦の月・下弦の月というのは、 西の空に見える時のつるの位置から分けられた名前なのです。 ただし、上弦の月も下弦の月も白道(月の天球上の通り道)の傾きにより、 つるの傾きは季節でだいぶ違います。 最も上弦らしく見えるのは、春の夜半前です。そして最も下弦らしいのは、空気が澄んできた秋の朝方、 西の青空の中で白く光って見える時です。