1999年11月のお話

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七人の美人姉妹は・・・(ギリシャ・アメリカ) 「プレアデス星団」
プレアデス星団は、ギリシャ神話ではアトラスと精女プレィオネーとの間に生まれた七人の娘で、 月の女神アルテーミスの侍女をしていました。 或る日ポィオティアの森で遊んでいると、狩人オリオンが現われてちょっかいをかけてきたので、 空へ逃げて女神の衣のすそにかくれました。 オリオンがいなくなってから、女神がすそを持ち上げてみると、七人の娘たちはあまりの恐怖に 鳩になっていました。 大神ゼウスはかわいそうに思い、その七羽の鳩を星にしたそうです。 オリオンも星になりましたが、空でもいつもプレアデス姉妹を追い廻している姿が星座にももに見られます。  プレアデス星団については、こんなお話もあります。 七姉妹の一人エレクトラは、その後わが子ダルダノスが建てたトロヤのお城が亡びるのを見るのに 耐えられなくなり、ほうき星(彗星)となって姿をかくしました。 (別のお話では、北斗の柄の第2星の伴星アルコルとなったともい話もあります。) それで、残る6人がいつも泣いているので、この星団は青白くかすんでいると伝えられています。 まだ別のお話では、見えなくなった星はメローべで、人間のシシフォス王の妻になったのを恥じ、 顔をかくしているためだとも伝えています。 これは神話では「行くえ知れずのプレーヤド」といって、他の民族の間にもこの星のむれを今も 7つと数えるところや、昔は7つ見えていたという伝説を持っているものがたくさんあるようです。 肉眼では普通6つ数えることができます。 アルキオーネが3等星で、他は4等、5等です。
 オリオンが、プレアデス姉妹を追うのでは、アメリカ・インディアンによく似た伝説があります。 昔々、秋の夕ぐれに、インディアンの若者が森の中を歩いていました。 川の近くまで来ると、ふと、若い娘たちの声が間えました。 それで、堤の木立の間からのぞいて見ると、美しい娘たちが七人、川べりで戯れていました。 そのうちに、空からかごが一つ下がってきて、七人がそれに乗ると、見る見る天へ昇って行きました。 若者は生まれてからこんな美しい娘たちを見たことがなかった。 それもそのはず、彼女たちは日の神の娘だったのです。 次の日、夕ぐれになると、若者は再び川のそばへ行って、木陰からのぞいて見ると、 また七人の娘が戯れていました。 それから、また、かごが下ってきて、空へ運んでいきました。 こういうことが幾日かつづいて、そのうちに若者は、一番年下の娘を愛するようになってしまいました。 それである夜、木陰から姿を隠して、川べりへ歩いていきました。 娘たちは悲鳴をあげて驚きましたが、ちょうどその時、下がってきたかごに飛び乗り、 みんな天へ帰ってしまいました。 若者があわてて手をのばしましたが、もう少しのところで間に合いませんでした。 その後も若者は、毎夜のように川べりへ行きましたが、月が幾日か満ちては欠けても、 娘たちは姿を見せませんでした。 冬、春、夏と過ぎて、再び秋がめぐってきました。 すると、ある夕ぐれ、若者は七人の娘の姿を見つけました。 若者はこっそりと忍びよってから、いきなり跳びだして、一番若い愛らしい娘をつかまえました。 そして、彼女をどれほど愛しているかを訴え、妻となってほしいと懇願しました。 娘は若者の熱情に動かされて、妻となることを承知しましたが、それには、共に下界を去って、 天上の人とならなければなりませんと、その若者に告げました。 それで若者は、下がってきたかごに、七人の娘たちと乗って、空へ昇って行きました。 この七人の娘たちが、西洋でいうプレアデス(すばる)で、若者は、オリオンとなったようです。 七つの星の一つがはっきり見えないのは、若者の妻となった娘で、天の神は彼女が人間の妻となるのを 快く思わず、姉たちのように明るく輝かないようにした為だとと伝えられています。
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