ポン太の天文ミニ知識


ポン太の部屋

月の裏側はなぜ見えない
満月のとき、月の表面に黒っぽい模様が見えます。 この模様を昔の人は、うさぎのもちつきと見たり、 かにの姿と見たりしていました。 現在は、この黒っぽい模様の部分を海と呼んでいますが、 もちろん水があるわけではありません。 月は、約一ケ月かかって満ち欠けをくり返しています。 三日月から上弦、さらにだんだんふくらんできて 満月となりますが、細い月でもそこに見える模様は、 満月のときに見える模様と同じです。 月は、三日月でも上弦でも下弦でも、満月のときに見える 模様の一部が見えています。 このことは、肉眼では少しわかりにくいかもしれませんが、 双眼鏡を使うとよくわかります。 つまり、月はいつも地球に同じ面を向けているのです。 では、どうして月の裏側は見えないのでしょう。 これは、月の公転と自転の周期がちょうど同じためです。 月は約29.5日で地球のまわりを一回転していますが、 月自体もこの間に一回転しているからです。 もし、月が自転していなければ地球から月の裏側を見ることができます。 また、公転周期より自転周期の方が少しでもおそかったり遠かったりしていたら、 やはり月の裏側を見ることができるのですが、ちょぅど公転と自転の周期が同じため、 地球からは月の裏側が見えないのです。 月の公転と自転の一致は、地球の潮汐力によって長い間に達成されたと考えられています。 しかし、月は地球から半面しか見えないわけでもありません。 月の赤道と、月の通り道の白道が6度41分傾いていたり、月の軌道が楕円であったり、 地球の中心ではなく、地表から月を見ていることなどによって、実際には地球から月は、 全表面の59パーセント見ることができるのです。 しかし、残りの41パーセントは地球にいるかぎり、絶対に見ることはできません。

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