ポン太の天文ミニ知識


ポン太の部屋

夕日は、なぜ大きくみえる?
たいへん大きく、赤い太陽が、西の山や海へ沈んでいくところや、 大きな満月が東の空に上っていくのをだれでも見たことがあると思います。 太陽は、昼間はまぶしくて肉眼では直接見えませんが、 高い空で輝いているときは、それほど大きくは感じません。 同じように、真夜中に見る満月も意外と小さく感じます。 では、太陽や月は上るときや沈むとき、なぜ大きく見えるのでしょう? 実は、これは目の錯覚なのです。 太陽も月も、どの空に見えるときでも大きさは同じなのです。 太陽はまぶしすぎて、ちょっと無理ですが、満月で調べてみるとすぐにわかります。 東の地平線から上ったばかりの大きく見える月でも、 五円玉を手に持ち、腕を伸ばしてその穴からのそくと、穴の中に入ってしまいます。 今度は高い空へ上った満月を、もう一度同じようにして見てみると、やはり穴の中に入り、 満月の大きさが同じだということがわかります。 写真に撮って大きさを比べれば、なおよくわかります。 このように、人間の眼に映る月や太陽の大きさは、低い空でも高い空でも同じなのですが、 感覚的にはやはりちがいます。 これは、同じ視角のものでも、遠くにある場合は 大きく感じますし、近くにある場合は小さく 感じるという、人間の心理的な作用によるため という説があります。 五円玉の穴を腕を伸ばして見たときは、 小さいと思いますが、同じ0.5度の角度でも、 太陽は大きく感じます。 頭の中で無意識のうちに、距離に対する角度を 計算しているのです。 空を見上げると、空は必ずしも半球には見えません。 洗面器を押しつぶしたように、高度はそれほど高く感じられずに、 水平方向に広がって見えます。 高さを低く見ているのです。 その低い、すなわち近いところにある0.5度の太陽や月より、 水平方向の遠くにある0.5度の太陽や月の方が大きく見えてしまうのです。

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