ポン太の天文ミニ知識


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日食の起こるわけ
 太陽と月は、地球から見ると、ほぼ同じ大きさに見えます。 そこで、月が太陽の前を通ると、太陽は月にかくされてしまいます。 この現象を日食といいます。 日食は、地球から見て月が太陽の方向にあるときですから、 新月のときに起こります。 月は、地球のまわりを29.5日で1回転していますから、 ひと月に1回は太陽の方に向き、新月になります。 しかし、日食は毎月は起こりません。 これは、地球から見た太陽の通り道の黄道と、 月の通り道の白道が一致していないためです。 黄道と白道は約5度傾いているのです。 黄道と白道の交わった2点を交点といいますが、 交点付近で新月になれば、太陽・月・地球が一直線に 並ぶので日食が起こるのです。 しかし、ほとんどの新月は交点からずれたところでなりますので、 日食はなかなか起こらないのです。
ひとくちに日食といっても、日食には3種類あります。 皆既日食と金環日食、それに部分日食です。 地球のまわりを回る月の軌道は、円でなく楕円です。 このため、地球と月の距離は最近と最遠では 約1割も違い、地球から見る月の大きさもそれだけ違ってきます。 太陽のまわりを回る地球の軌道も楕円ですから、 太陽の見かけの大きさも少し変わります。 そこで、地球から見て月の方が太陽より大きければ、 月が太陽を全部かくしてしまいます。 これが皆既日食です。 逆に、月の大きさが小さく、太陽をかくしきれない日食を金環日食といいます。 また、月が太陽から少しずれたところを通る場合は、 太陽の一部分がかくれます。これを部分日食といいます。 天文学的に重要なのは、コロナが見える皆既日食ですが、 これは月が太陽の真正面にくるところなので、 地球上の限られたごく狭い範囲でしか見られません。 おまけに、皆既の時間も、長くて七分四〇秒、普通は2〜3分しかありません。

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