ポン太の天文ミニ知識


ポン太の部屋

梅雨・ばいう
「天気に国境はない。」 今回は、日本がやっぱりアジアの中の国のひとつなのだと、実感できるお話をしましょう。 ばいう「梅雨」ってなんだろう? 百科事典を調べてみると・・・・、   6月から7月中旬にかけて、日本・楊子江沿岸地方におこる雨期。つゆ。さみだれ。   梅の実のなるころに降る雨の意。 なんだって。 つまり、梅雨は日本だけの現象ではないんだ。 インドのモンスーンも日本の梅雨とつながっているし、中国にもやっぱり梅雨があって、 こちらは梅雨は梅雨でも「メイユー」と発音されているんだよ。 また、海外の辞典でも、「ばいう」とひくと、「アジアの雨の季節のこと」などという解説が されていたりするんだ。 「つゆ」より「ばいう」と発音した方が、世界共通、インターナショナルなのかも知れないね。  日本には、雨期と呼ばれる季節が3つあのを知ってました? 春霖(しゅんりん)・梅雨(つゆ)・秋霖(しゅうりん)という3つです。 「梅雨」と書いて「つゆ」と読むんだ。 どう考えても、この3つのうち、 これだけは「あて字」みたいな気がする・・・・。 じゃぁ、何故「あて字」なんだろう? その答えを、梅雨前線の雲の端に見つけた気がするヨ。 梅雨前線の雲の西端は、インドの方まで伸びているんだ。 インドのタミル地方には Tu−Li(トゥリ) という言葉があって、意味は  1)雨が降ること  2)水滴  3)少し っていう事らしいんだ。 日本語にも  1)梅雨  2)露  3)つゆ知らず(少しも知らない) という意味があります。 つまり、この3つのTu−Liの意味が、 日本語の「つゆ」 の意味とほとんど同じなんだ。 日本の梅雨とインドのモンスーンはつながっていて、 同じ時期に降る雨のことらしいんだ。 とすると、その昔インドのタミール人が海を渡って日本にきたとき、 自分の故郷と同じころに降る雨に驚いて、Tu−Li(トゥリ)といったことから、 日本人も6月に降る雨を、Tu−Li(トゥリ)と呼び、それが時代とともに、 今の「つゆ」という言葉に変わっていった、ということも考えられるんじゃないかなぁ?  チベット高原が梅雨の原因になるのは、そこに吹く風が関係しているんだ。 中国大陸や日本などの、中緯度の上空に吹く強い西風・・・・、偏西風のことだけど、 チベット高原の標高は平均5000メートルくらいあって、チベット高原に西風がぶつかり、 南と北のふたつの流れに別れてしまうんだ。 そして、ふたたび、日本の東でひとつになというのが、偏西風の大きな流れなんだけど、 この強い西風(ジェット気流?)が分かれてしまうということこそが、梅雨前線の雲をつくりだしているんだよ。 南側に割れてしまった風は、雨粒のもととなる暖かく湿った空気を運びこむ役目をします。 これが、東南アジアのモンスーンになるんだ。 また、北側に分かれてしまった風の流れは、オホーツク海高気圧を発達させます。 オホーツク海高気圧は、日本の中でも主に東北地方に梅雨をもたらす高気圧になるんだ。  日本の梅雨の雨粒のもとは、大きく分けてふたつの場所から運ばれています。 ひとつは南から梅雨前線に吹き込む風で、湿った空気を運び込んでる、南西モンスーンというんだって。 この空気からの雨は、大きな雨粒となるんだよ。 もうひとつが、オホーツク海に中心を待つオホーツク海高気圧から吹きだす風で、 北からの冷たい空気を運び込むんだ。これは、北東気流といって「やませ」と呼ばれることもあります。 北東気流は低い雲をつくり、その雲からは小さな雨粒の雨が降るんだ。 その結果、梅雨の雨は北日本東日本では、シトシト降る雨、西日本南日本では、ザーザー降る雨となるんだよ。 西日本では、東南アジアのモンスーンと同じようなザーザーと降る雨になって、 東日本や東北地方ではシトシトとうっとうしく降り続く雨になります。 シトシト雨を降らせる「やませ」は、東北地方の米作の冷害の原因にもなるので、昔から嫌われているよね。 この「やませ」の故郷、オホーツク海高気圧が発達するのは、チベット高原で分けられてしまった 北まわりの風があるからなんですね。  チベット高原の冬の積雪量が多いと、インドのモンスーンの始まりが遅れ、梅雨の雨の量は少なくなり、 積雪量が少ないと、モンスーンは早く始まり、梅雨の雨の量は多くなるんだ。 この積雪量と雨の量の関係については、かなり昔からたくさんの科学者が研究していて、 過去のデー夕を見ても、雪とモンスーンの関係は実証されているみたいです。 では、なぜ雪が関係するんだろう? それは、雪がある土とない土の場合で地面の暖まりかたがちがい、 その結果として大気の水蒸気量や流れが変わってくるから、と考えられています。 チベット高原っていうのは、アジアの梅雨をつくりだすほど大きな高原だったんだね。 そんな大地だからこそ、少しの変化でも、いろいろなことに大きな影響をおよぼしてしまうみたい。 もしも、このチベット高原がなかったら・・・・・・・・、 日本の天気は、現在のものとは全く違うものになったかも知れません。

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